2008年6月20日(金)13:34

EUはリスボン条約の批准手続きを継続する意向

ブリュッセル(AP)

アイルランドの批准否決にもかかわらず、残りの国々での批准手続きは進められることになる。加盟27ヶ国の首脳は全員、金曜日ブリュッセルで開かれたEU首脳会議で、条約批准を継続する意向を確認した、と外交筋は伝えた。しかしチェコのミレク・トポラーネク首相は、チェコの批准はあくまでも憲法裁判所の判断次第であると付け加えさせた。

この妥協案は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とEU議長を務めるスロヴェニアのヤネス・ヤンシャ首相が、チェコのトポラーネク首相に朝食の席で提案したものである。トポラーネク首相は相当の圧力を受けている。というのもチェコは2009年1月1日に輪番制のEU議長を引き受けるからである。

「私たちは議長国任期が控えていることを考えれば、リスボン条約を1月1日までに批准するのが良いと思う」。しかしこれが可能になるのは、憲法裁判所の承認が得られた場合に限られる、とチェコのカレル・シュワルツェンベルク外相は語った。憲法裁判所の判断は今秋と見られている。

危機打開の明確なタイムスケジュールなし

リスボン条約の発効にはアイルランドを含む加盟全27ヶ国の批准が必要になる。アイルランドは先週の国民投票で批准を否決している。アイルランド政府は10月の次期EU首脳会議で、打開策の提案を行うことになった。しかしEUは最終的な解決の期日を設定しなかった。金曜日の閉幕宣言の草案には、10月に「今後の対応を協議する」と記されているのみである。

欧州委員会の委託で行われた世論調査によれば、アイルランド国民の否決の最大の理由は情報不足であった。回答者のうち、批准に反対した人の22パーセントが情報不足を反対の理由に挙げた。また12パーセントはアイルランドのアイデンティティーを守りたかったと答えた。この世論調査は2,000人のアイルランド国民を対象に行われ、金曜日に結果が公表された。

サルコジ大統領:「新たな条約なしの拡大はない」

フランスのニコラ・サルコジ大統領は、リスボン条約が救済されなければ新規EU拡大に対し拒否権を発動すると警告した。「リスボン条約がなければ拡大もない」とサルコジ大統領は木曜日の深夜に語った。これは最も加盟が有望なクロアチアにも当てはまるのかという質問に対して、大統領は「クロアチアに反対するものではないが、拡大にはEUの機構改革が必要なのだ」と答えた。ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相も、「なぜ私たちがリスボン条約を必要とするか、その理由の一つはEUの拡大能力を保つことにある」と強調した。

しかしEU議長を務めるヤンシャ首相は、「加盟候補国が準備を整え、加盟の是非を問う頃には」、EUは危機打開の方策を見出しているだろうとの楽観的な見解を示した。欧州委員会は、最も準備が進んでいるクロアチアとの加盟交渉を、任期の満了する2009年10月までに完了する意向である。

EUには、それまでにリスボン条約の危機を解決しなくてはならないという広範な合意がある。なぜなら2009年6月の欧州議会選挙に向けて、リスボン条約と現行のニース条約のいずれに基づいて新しい欧州議会や新しい欧州委員会を構成するのかという問題を最低限解決しておく必要があるからである。

原題:EU will Ratifizierung des Reformvertrags fortsetzen




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